tamariba NEWS

tamariba 通信

2026.08.04

人事担当者が知っておきたい“お金のこと” 専門講座レポート

みなさん、こんにちは!(^^)/
人事プロデューサークラブの広報担当、人事の妖精・じん子ちゃんです!

今回は、7月28日に開催された「専門講座」のレポートを、おとどけします!


2026年7月 専門講座

「 確定拠出年金から考えるファイナンシャル・ウェルビーイング 」

講師:東急株式会社 人材戦略室人事サポートグループ 参事 西堀 永 氏


現在、政府が「資産運用立国(資産所得倍増プラン)」を掲げて、NISAの抜本的拡充・恒久化等、安定的な家計資産の形成支援を整備している状況において、低金利・インフレ・老後資金不安等により、勤労者からの「会社が資産形成を支援する制度」への期待も高まっており、福利厚生制度の充実化や企業型確定拠出年金(企業型DC)に注目が集まっています。

こうしたなかで、企業型DCの制度運営を通じて見えてきた課題は、「どのように『お金に対する安心感』を醸成するのか」ということ。

本講演では、新入社員研修のなかで説明している、『安心感』を持つための「お金の話」について具体的に紹介しながら、人的資本経営におけるウェルビーイングの意義について整理したことをお伝えいたします。
不慣れな方が多いので、確定拠出年金の制度概要についても簡単に説明させていただきます。

(西堀氏より)


■ はじめに

人事プロデューサークラブ 専門講座「確定拠出年金から考えるファイナンシャル・ウェルビーイング」冒頭で西堀さんの自己紹介と、東急グループの会社紹介がありました。

東京急行電鉄(旧社名)でキャリアをスタートされた西堀さん。
(もちろん、駅務係や車掌の経験もあるそうです!)
その後は労政→人材開発→社員サービスなど人事畑の担当を歴任され、グループ会社7社への出向を経て、現在は本社の人材戦略室にて、主に退職金関連の業務に従事されています。

続いてお話のあった「東急グループの歴史」の部分、鉄道ファンの方ならもっと聞いてみたい!という内容が多かったかも!
じん子も普段お世話になっている各路線について「そうか、今〇〇線は新型車両なんだ!」「ホームドアの設置率、エグい!」などと聞き入ってしまいました(笑)

■ 企業型確定拠出年金(企業型DC)制度、導入の経緯

1980年代に私鉄各社に税制優遇措置が得られる年金制度導入が一気に進み、当時の東急電鉄さんでも1981年に適格退職年金制度を導入。退職一時金制度の一部を外部積立化することで、安定的な退職年金制度運営を目指したそうです。これが80年代後半ぐらいまでは非常に効果的に機能していたのですが…。
バブル崩壊後の1990年代後半以降、運用環境の悪化と退職給付会計の変更により、予定利回りを大きく下回ったりと、年金資産の積立不足が課題となりました。その頃、退職金問題で倒産する企業もあったそうですね。

そこで、2000年以降新たな会計基準(2001年の確定拠出年金法、2002年の確定給付企業年金法の施行など)を受け、東急では2003年3月末時点で新たに400億超の積立不足が生じてしまいます。その結果、2004年10月に退職給付制度を改定し、退職一時金はポイント制、退職年金は企業型DCへと移行されたそうです。

しかし、この時の方向転換は大正解。今、社員の皆さんの運用状況もよく、退職時に「確定拠出年金を入れてくれてありがとう」と言って下さる社員の方も徐々に増えてきているとのことです。( p_q)いい話ですね…

■ 人的資本経営におけるウェルビーイング

そもそも「人的資本経営」とは、従業員を「価値を生み出す資本」と捉え、能力・意欲・健康・働く環境などに体系的に投資することで、企業の持続的成長と競争優位を実現する経営手法となっています。

従業員エンゲージメント(従業員が企業を信頼し、目指す方向性に共感し、自発的に貢献しようとする意欲がある状態で、いかに前向きに力を発揮するか)を維持・向上するためには、身体的・精神的・社会的に満たされた状態に加え、経済的な安心感が整っていることが重要となります。

それには、2つの側面があり、

1. ハード面
給与・賞与等の処遇改善、人事評価制度の透明性向上、福利厚生・退職給付制度の拡充など

2. ソフト面
制度の周知・金融リテラシーの底上げ(経済的な安心感の醸成/会社制度の活用促進・喚起など)

ここで説明に用いられた図が、とてもわかりやすいとじん子は思いました!
 ・身体的 ・精神的 ・社会的 ・経済的
この4つが満たされた、安心して仕事に取り組める環境 = ウェルビーイングとされているページ、アーカイブ視聴可能な方はぜひご確認くださいね!

みなさんの会社では、この4つを満たす環境や制度、整備されていますか?

■ ファイナンシャル・ウェルビーイングに社として取り組むのはなぜ?

なるほど!
先が不透明なこの世の中、住宅・教育・介護・老後資金…等々、お金に関連する不安を少しでも払拭してあげること、会社がそれをサポートすることでエンゲージメントはさらに上がりそうですね。

しかし、制度を整えるだけでは、従業員の安心感には直結しないことも。
制度の内容や趣旨を従業員が理解し、自分の生活・将来設計に引き寄せて活用できるようにすることで、経済的な不安の見える化と対策につながり、結果として、従業員は仕事に集中しやすくなり、エンゲージメントやパフォーマンス向上が期待できる…やっぱり、しっかりした金融教育は必要ですね!

「単に金融知識を伝えること」ではなく、「従業員が制度や仕組みを理解し、必要な選択を自分で行えるようになることで、お金の不安なく安心して、現在および将来に希望を持って働ける状態をつくること」を、西堀さんや東急グループさんは目指しておられるそうです。

■ 「お金の話と確定拠出年金制度」(東急の新入社員研修資料から)

ここで、今年の新入社員研修に用いられた、その金融教育の資料を少しご紹介いただきました。

その工夫とは「ゴールの共有」

・一般知識として「お金」の知識・コツを理解すること
・お金に対するなんとなくの不安を取る! → 仕事に集中できる
・「わからない」「難しい」→ もったいない!やってみる!

こうして、お金の基本的な考え方を理解することで、会社制度(企業型DC、財形貯蓄、従業員持株会など)や、国の制度(iDeCo、NISA・つみたてNISAなど)を自分ごととして捉えやすくなり、会社の制度の有効利用の方法も学べます。
東急さんのような大企業だけでなく、中小企業も(中小だからこそ)非常に大事な研修だと思います!

■ 社会人が知っておきたい、お金の知識・コツ

人事プロデューサークラブ 専門講座「確定拠出年金から考えるファイナンシャル・ウェルビーイング」新入社員研修の中で、実際に西堀さんが使われた貴重な資料をいくつかご紹介いただきました。

・「かせぐ」をふやす → 役割に応じた成果を出す
・「ためる・ふやす」をふやす → お金に働いてもらう&自己投資
・「つかう」をへらす → 浪費をなくし、消費を厳選
= 収入を増やすだけでなく、支出を見直し、貯蓄・投資を仕組み化する。

これ、小学生の自分も知りたかった!(;´∀`)

その他にもとってもためになる、基本的なお金のお話が…。


◆ 運用で押さえる基本とは? ◆


… 本当に、「新入社員研修」とは思えないほど(どこかの銀行のセミナーみたいな)充実した研修ですね!
中には「西堀さんがコッソリ教える!福利厚生の得する裏ワザ」みたいなコーナーも!
エンゲージメント上がりまくります(笑)

入社したばかりの社員が、「老後資金」をじっくり考える機会って、そうそうないと思います。でも、少子高齢化社会を支える若手社員だからこそ、お金の不安をなくすこと、将来設計をきちんと立て希望を持って働くこと、すごく大事ですよね!

それが、列車の安全運行や楽しいショッピングや快適な旅行につながり、東急グループの社員さんだけでなく、世の中全体をHappyにしていける、なんてすばらしい取り組みなんでしょう!!

■ 参加者のご感想(アンケートより一部抜粋)

・新人に真摯にお金の教育をするところに、深く共感した

・企業型DCに焦点を当てたものは中々無かったので学びになった。

・ファイナンシャルウェルビーイングの概念、参考になりました。

・企業にとっても、個人にとっても、お金の話は本当に大事だと再認識できました。

・社員が不安なく仕事ができる制度・環境づくりがまず第一なのですね。講師の西堀さんの語り口はソフトでわかりやすく、頭にすーっと入ってきました。

・企画ありがとうございます。懇親会も楽しい時間を過ごさせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。


じん子もこの夏、自分とお金について、もう一度じっくり考えてみますね。
西堀さん、貴重なお話をありがとうございました!!

人事プロデューサークラブ 専門講座「確定拠出年金から考えるファイナンシャル・ウェルビーイング」