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優秀な人材の離職を防ぐ、経営戦略としてのハラスメント対策 プロデューサー講座レポート
みなさん、こんにちは!(^^)/
人事プロデューサークラブの広報担当、人事の妖精・じん子ちゃんです!
今回は、8月27日に開催された「プロデューサー講座」のレポートをお届けします!
2026年8月 プロデューサー講座
「 経営者が見落としがちなハラスメント対策の重要性 」
講師:株式会社ライフバランスマネジメント研究所 代表 渡部 卓 氏
ハラスメント対策は単なるコンプライアンス対応ではなく、経営戦略そのものです。
2022年の中小企業へのパワハラ防止法義務化以降、精神障害の労災認定件数は過去最高を更新し続けており、経営者にとって無視できないリスクとなっています。
特にZ世代の78%がハラスメントを受けた際に通報するとのデータが示すように、昭和型の「背中を見て育てる」マネジメントは通用しなくなりました。
本講座では、日米中での企業経営と大学教授としての視点から、離職防止や採用でのイメージ向上、ダイバーシティ推進への実践的な対策を現場視点から解説します。
(渡部氏より)
【 アジェンダ 】
● ハラスメント対策の目的と経営リスク
● 昭和型マネジメントの落とし穴
● Z世代の特性と戦力化のポイント
● 離職防止・採用力向上につなげる職場づくり
● アンコンシャスバイアスとダイバーシティ推進
● 明日から使える実践的コミュニケーション術
■ はじめに
ハラスメント対策は、コンプライアンス部門に任せておけばいい?
── いえいえ、それは経営戦略の重要パーツなんです!
今回の講座では、大学教員として教鞭をとりながら、企業・官公庁向けに100回を超える研修講師を務め、上場企業の役員向けエグゼクティブコーチングも手がける渡部さんに、現場の生の事例を交えつつ、ハラスメント対策を「健康経営」「心理的安全性の構築」という経営戦略の視点から語っていただきました。
■ Z世代とハラスメント ~ 世代間ギャップの衝撃
まず渡部さんから、デロイトトーマスのデータを引用しながら、Z世代(学生・20代)がハラスメントに対していかに敏感であるかを示していただきました。
なんと、約8割の若い人は、職場でハラスメントを見たり聞いたりしたら「通報・相談・報告する」とのこと!
一方、ミレニアル世代(30~40代)では約半分に減り、50代以上ではさらに低くなるそうです。
さらに衝撃だったのが、若い世代は社内に相談せず、いきなり労基署など外部に通報するケースが増えているという事実。ひえー!!
渡部さん「なんでうちに相談してくれなかったのかね、と人事の方がおっしゃるんですが、それくらい社内に相談しやすい環境(心理的安全性)が不足しているんですよね」
みなさんの会社では、若手社員が安心して相談できる環境、ありますか?
■ ハラスメント対策が経営課題となる3つの理由
では、なぜハラスメント対策が経営課題なのでしょうか?
渡部さんは3つの損失を挙げられました。
- 人材の損失
優秀な人材の離職。若い人は我慢せず転職サイトに登録して辞める - 金銭・法務の損失
第三者委員会・調査委員会の設置にかかる時間と労力 - 信用の損失
企業ブランド価値の低下。社員の苦悩、取引先での面子の失墜
これらは採用面でも大いに影響がありますよね。学生や若い求職者の中には、企業選びの際に「ハラスメント研修をやっているか」「メンタルヘルス研修を実施しているか」をチェックしている人もいるそうです。
■ 昭和型マネジメントの落とし穴
渡部さんは、あるテレビ局の全管理職向け研修で「昭和型マネジメントの落とし穴」というテーマを担当されたそうです。そこでキーワードとして登場したのが「集団浅慮(グループシンク)」。大手一流企業で優秀な人材を集めても、集団となると「浅い配慮」が生じ、コンプライアンス違反やハラスメントが社風の中に潜んでしまうというのです。
また、ハラスメントには明確に線引きできない「グレーゾーン」が多く存在します。
渡部さん「企業様から『渡部さん、詳しいんだから線引きを教えてほしい』と言われますが、詳しい人間ほど線引きできないんです。ケースに入れば入るほど、線が引けなくなる」
ただ机を叩いて叱ったことが懲戒処分に至った事例もあるそうで、相手の受け取り方(先入観)によって同じ行動でも全く違う結果になるとのこと。研修会の失敗例として「研修後、何を喋ったらいいかわからなくなり、部下に早く帰ってもらう管理職が半数を超えた」という事実も紹介されました。ビビらせすぎも良くない、というのは納得ですね…
ここで渡部さんがキーワードとして掲げたのが「アサーション」。
・嫌われない図々しさ
・爽やかな自己主張 です。
日本の学校教育では、このコミュニケーション教育がなされていません。アサーション能力が低いと、ハラスメントを受けた社員が黙ってしまい、最終的には離職に繋がってしまいます。
渡部さんは、海外での自身の交渉経験を交えて、その重要性をたっぷり語っていただきました。
■ 借りてきた猫 ~ パワハラになりにくい叱り方のコツ
ここからが本講演の目玉、「借りてきた猫」というキーワードで、パワハラになりにくい叱り方のコツを伝授いただきました。

| か | 感情的にならない |
| り | 理由をしっかり説明する |
| て | 手際よく手短に |
| き | キャラクターを攻撃しない |
| た | 他人と比較しない |
| ね | 根に持たない |
| こ | 個別に伝える |
これは、渡部さんがご自身の著作、
「折れやすい部下の叱り方」(日本経済新聞出版社 2012/11/23発売)
で提唱されたオリジナルのフレーズです。
覚えやすくて明日からすぐに使えそうですね!「他人と比較しない」「個別にそっと叱る」って、簡単なようでいてなかなかできないかも知れません。
■ 経営者自身のセルフケア
その後、「若い世代が職場で求める要素とは?」「アンコンシャスバイアス(職場に存在する先入観の例)など、いくつかの事例をご紹介いただきました。
そして、今回たくさんご参加いただいていた経営者の方へのセルフケアとして「4つのR」。
| Rest | 休息 | 充分な休息をとる |
| Relaxation | リラクゼーション | リラックスの時間を持つ |
| Retreat | リトリート | 日常から離れる(森林浴がおすすめ!) |
| Recreation | レクリエーション | 趣味や娯楽(ゴルフ、カラオケ etc) |
渡部さん「特に上の3つ(Rest、Relaxation、Retreat)は会社が応援すべき領域です。ハラスメント対策の実効性を高めるには、経営者自身のメンタルヘルスも重要なんですね」
じん子は(経営者じゃないけど)今年の5月、あるリトリート施設に行きました。 → たった1泊2日で、生まれ変わったようにスッキリ!!(^^) よく考えたらこの4つがすべて満たされた2日間だったんです。
人事のみなさん、従業員の方たちだけでなく、経営者の方のメンタルの様子も、気をつけて差し上げてくださいね。
■ さいごに
最後に、「傾聴」「アサーション」「心のPDCA」という、重要な3つのキーワードを教えていただきました。
人事プロデューサークラブ会員の方は、ぜひアーカイブで詳細をお聞きくださいね。
「偉い人ほど我慢して聞く。役員の方々、ご自身が話しすぎていませんか?」という渡部さんの問いかけに、ドキッとした方もいらっしゃるのでは?
渡部さん「ハラスメント対策はコストや費用と思わず、投資と考えていただきたいです。ハラスメント対策=コンプライアンスの要件、だけではなく、健康経営と心理的安全性の構築」という経営戦略として取り組むことが重要です」
渡部さん、現場の生の事例をたっぷり交えた貴重なお話を、ありがとうございました!!
■ 参加者のご感想(アンケートより一部抜粋)
・カスハラや求職者等へのセクハラ対策なども含めてお話を聞けたこと、現代のZ世代の傾向やアサーションが鍵という視点も興味深く拝聴 できました。
・経営者に伝える内容が参考になった
・渡部先生自身のご経験による具体例がイメージしやすく、学びが深まりました。
・Z世代のことがよくわかった
・実例を含めてご説明いただいて分かりやすかった
・パワハラと指摘されるのを恐れて委縮する管理職がいる中で、その対応方法のヒントをもらえた
・「かりてきたねこ」はシンプルで分かりやすいと思いました。
このアンケート内で質問をくださったみなさんへも、後日渡部さんよりとっても丁寧なお返事をメールでいただきました。
本当にありがとうございました。
